大塚酒造・酒にまつわる話

酒の甘辛

 酒の甘辛の判定は中々難しいものです。甘辛は何によるのでしょう。
まず、酒の中の糖分(ブドウ糖等)の量によります。酒度計という、比重計があり、酒の品温を15度にして、0を、水の比重にして、プラスに行くほど辛く、マイナスに行くほど甘いと見ます。糖分が多いほど比重が大きくなりますから、マイナスになるわけです。

・酸の量によります。多いと辛く感じます。吟醸酒のように、酸の少ない酒は、酒度計では辛い指標を呈しているにもかかわらず甘く感じます。
・アルコール度数によります。度数の高いほうが辛く感じます。
・熟成の度合いによります。蒸留酒もそうですが、ねかしたほうがまろやかになりますが、これは、甘く感じるのです。
・雑味によります。昔の鬼殺しと言った酒は、酸も多いのですがその他の雑味成分が多くてぴりぴりしたような辛味を感じました。今の辛口は、いわゆる、淡麗という表現のものが多く、辛いというよりさっぱりしたといった表現の方が適しています。
・温度によります。低温ですと割合甘味に舌が鈍感になります。ですから、冷やしてのんでいた酒が、段々温度が上がってきて甘く感じることがあります。

 戦中戦後にかけて、物の無い時代、砂糖は貴重品でした。甘味を皆が求めていましたので、戦後はすべて甘くなければいけませんでした。酒が手につくと(糖分で)べたべたしなければいけないと言われていました。ところが、高度成長以来、飽食の時代が到来して、甘味はむしろ敬遠され、なるべくさっぱりとした味が好まれるようになり、酒も辛口へと変わってゆきました。20-30年前は酒度で言うと-5~-6くらいが普通でしたが、今飲むと大変甘く感じます。現在はちょうど酒度は0くらいが平均であるといってよいでしょう。